チェアスキー

私たちKMSはチェアスキーのショックアブソーバ開発を通じて障がい者スポーツの発展に貢献しています。長野パラリンピックを控えた中、チェアスキーで使われているショックアブソーバの形状が二輪用リアクッションユニットと似ていることからお話しを頂いたのが発端です。以来、ソルトレイク、トリノ、バンクーバー大会で日本代表選手にショックアブソーバを提供してきました。2018年平晶大会に向けカヤバは日本障害者スキー連盟アルペンスキーナショナルチームのオフィシャルスポンサー及び公式サプライヤとなり、より強力な支援活動を行ってまいります。

私たちに与えられた役割は強化指定選手それぞれの要望に合わせたショックアブソーバの開発です。テストを繰り返しながら“誰が乗っても十分なパフォーマンスを発揮できるショックアブソーバ”まで作り込むのが第1ステップ。国内外の遠征に帯同し現地コースや雪質に合わせて選手ごとに細かいセッティングを行い性能を更に磨き上げていくのが第2ステップです。テストを滑り終わった選手からすぐに話しを聞き、選手のフィーリング(=感覚的な言葉)を技術的な言葉に変換してセッティングに反映させなければならず、選手それぞれが持っている滑りの感覚をどれだけ拾い理解できるかに掛かっています。常日頃から選手やチームとコミュニケーションを取っていることが重要です。選手の希望通りのショックアブソーバを提供できたときが一番のやりがいです。

チェアスキーのショックアブソーバと二輪用ショックアブソーバの”つくり”は、中に充填しているオイルを除けば大した違いはなく、二輪で培った技術をチェアスキーに活用しています。しかし二輪車と違いチェアスキーにはタイヤがありません。接地面からダイレクトに衝撃が伝わり、最大限の性能を出すための調整には独自のノウハウが必要です。いつの日か、チェアスキーで培った緩衝減衰のノウハウを応用した製品を開発することが目標です。

チェアスキーショックアブソーバ開発者 石原 亘プロフィール
2009年入社。スノーモービル、ATV用ショックアブソーバの設計を経て、2015年よりチェアスキー用ショックアブソーバの設計に携わる。また、設計開発を行う傍ら、チームの海外遠征にも同行し現地での仕様変更等のテクニカルサポートも対応する。
趣味はモトクロス、自動車ラリー競技への参加や、スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツ等。

サポートしている強化指定選手(氏名順)
狩野 亮選手、鈴木 猛史選手