成り立ちのストーリー

2013年10月、KYB株式会社(現 カヤバ株式会社)は二輪部門を会社分割し、ヤマハ発動機株式会社も出資することで合弁会社「カヤバモーターサイクルサスペンション株式会社」略称「KMS」を設立。
油圧機器の専門メーカー、カヤバと母機メーカーのヤマハ発動機社の合弁によりコストを抑えるだけではなく、世界トップクラスの性能、品質にこだわった新しいチャレンジを世界に発信していく二輪車サスペンションメーカーとして誕生した。

専門性を上げるパートナー

専門性を上げる為には如何するべきか?より専門性を上げるべくパートナーを探していた母機メーカーとグローバルな市場での展開を目指していた二輪サスペンションメーカーが合弁会社の設立に至った。
専門性の強い2社が業務提携をするのではなく、1つの会社を設立する事でお互いの専門性をスピーディーに上げる事が可能となる。
母機メーカーの視点を取り入れる事で高性能、高品質の世界トップクラスのサスペンションを全てのユーザーに提供出来る。
コストの面でも二輪車メーカーの部品調達の中でサスペンションが占める割合が2番目に高いとされている。
それを解消する為に新機種の企画段階から参加する事で実現してきた。
合弁会社を設立すると同時に新しいチャレンジをしていく為の意識の変化が双方に求められる様になった。

新たな価値観の提案

これまでサスペンションメーカーは、お客様の依頼に対しての開発があるという形だった。
しかし、新たな価値観の提供という観点からヤマハ発動機社の三輪バイク「トリシティ」に搭載されている特殊なフロントフォークの開発事例がある。
ヤマハ発動機社が新しいチャレンジを海外で展開、タイでのトリシティ製造を開始する。
それに対してKMSとして母機の製造拠点に近い場所での製造を展開していく事がコスト面、スピード感を考えた時に最適な判断と考えた。
元々、タイの工場にあった設備、現地にあった製造方法を考慮して新しい設備投資を抑える展開、従来の日本で開発が終了している製品をタイへ移管して生産を行う過程から最初からタイでの開発、生産という新たなスタイルにチャレンジしていく展開をしていく。
トリシティに関して企画段階からの参加をする事でKMSからの要求も併せて検討、詰めの作業を進められる事により設計者の価値観にも大きな変化があったのです。
今後は合弁で得られたノウハウを生かしグローバル市場でのKMSの存在感を高めていく考えだ。

シェア拡大に向けた取り組み

KMSではシェアの拡大に向けた取り組みの一つとして二輪車の最高峰「Moto GP」に挑戦をしている。世界で注目されるロードレースで知名度を上げる事はシェア獲得に向けた大きなチャレンジだ。
KMS単体の活動ではなく、カヤバグループのブランドイメージの向上にも繋がっていく取り組みだ。
海外の車体にも搭載される為にグローバル市場での存在感を確かなものにすべくMot GPへの参戦、結果が求められる。

今後、サスペンションメーカーとして世界でのシェアを拡大していく事がKMSにとって大きく新しいチャレンジとなっていく。